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2023年

テーマ

地域循環住宅~森と暮らす家~

審査員
審査員長
福屋 粧子
[ 建築家 東北工業大学教授/AL建築設計事務所 ] 建築家/東北工業大学教授/株式会社
AL建築設計事務所
審査員
野津 弘 [ 建築家 NDS・野津デザイン計画工房 ] 建築家/
株式会社 NDS(野津デザイン計画工房)
審査員
蟻塚 学 [ 建築家 蟻塚学建築設計事務所 ] 建築家/株式会社 蟻塚学建築設計事務所
審査員
他タカカツグループより3名
(敬称略)
審査
結果

「第1回 タカカツグループ学生住宅設計アイデアコンペ 宮城の家づくり2023」の審査が2023年12月に行われ、計8点の入賞作品と8点の佳作が決定しました。初の開催となりましたが、宮城県内はもちろんのこと、全国の宮城にゆかりのある54組の学生からエントリーを頂きました。たくさんのご応募ありがとうございました。

受賞作品

最優秀賞

Roots
東北工業大学 3年古山 蓮大
審査員のコメント

ミニマルな美しいドローイングで、細かく植物の形や風景の変化が描かれていて、森に広がる動きが想像できるところが良い。立体的にはどうなっているかわからないが、平面図の不思議なかたちも魅力的である。二次審査時の模型も斜面に寄り添っていて、造形力を感じる。

審査員長 福屋 粧子

枝分かれした空間に自然が入り込むアイデアは面白い。空中に飛び出したり土に埋められたり、自然との接し方に工夫がある。枝分かれした空間と幹の部分の接点や隣り合う枝と外部空間の関係に一工夫欲しかった。提案書の表現はとても洗練されているが立体的な表現が欲しかった。

審査員 野津 弘

根が張るような放射状の空間は立体的にもそれぞれの視点が変わって魅力的。二次審査では空間の変容についての丁寧なコメントが高評価だった。

審査員 蟻塚 学

タカカツ賞

居久根とくらす
東北芸術工科大学 3年松本 みなみ
審査員のコメント

森と、人の居場所が混ざった立体的なドローイングが非常に魅力的です。方向感をバラバラにして、多焦点的に表現してプレゼンテーション時の模型作成は大変だったと思いますが、ぜひ立体的に空間を作っていくことを続けて、独自の表現に繋げていってください。

審査員長 福屋 粧子

一番上のビジュアルが素敵でひきつけられる。建築的な表現(平面・断面)が欠けてはいるが想像を喚起させる表現が魅力的。ダイアグラムがとても面白くそれに対応する空間の具体的な表現があればもっと良い。配置平面では屋根伏ではなく平面図を記述して欲しかった。また、構造がどのようになっているか断面も欲しかった。

審査員 野津 弘

地域循環する居久根という伝統的な形式に着目しながらも、高さによって特性が変わることを発見し新しい空間づくりに発展させている。目の付け所、答えの導き方が秀逸。

審査員 蟻塚 学

日建学院賞

「つなぎ、ツムギ、またつなぐ。」
東北工業大学 4年佐藤 彩奈
審査員のコメント

プレゼンテーションボードの完成度は高く、スケッチ調のダイアグラムも魅力的です。ヘタ地をうまく活かした計画で室内外のプランもよいです。二次審査の模型の屋根がちょっと意外でした。自然素材の利用方法について盛り込みすぎて、自分たちでもちょっと混乱しているのかなと思いました。ただ、循環型制作文化に興味が出ているのは、非常に今日的でいいと思いますので、できれば実体験して、より詳しい感覚や知識を身につけていくと良いと思います。

審査員長 福屋 粧子

建物で囲われた路地的な空間が魅力的で内部と外部の境があいまなのが魅力的。藁ブロック+漆喰という持続可能な材料の選択も好感が持てる。森と住宅街のエッジに位置する事の良さが感じられ無いのが惜しい。エッジをなくす、あいまいにする、きっちり区画する等の周辺環境との呼応の仕方を意識的に考える事が必要と感じる。

審査員 野津 弘

地域農業の副産物である稲藁をセルフビルドの建築材料として活用し、建設時以降もフィジカルな地域とのつながりをつくるシステムを考案。性能、テクスチャとしても興味深い素材であることと、できる空間の自由度も高い点がよい。

審査員 蟻塚 学

審査員特別賞

あいまいな森ぐらし
東北工業大学 4年髙橋 りお
審査員のコメント

ランダムに重なった居場所が吊られており、細かく生き物や植物について記入があり、森で暮らす風景や匂いなどが想像できるところが良い。模型写真や図面も触感があり魅力的。審査時にも伝えたが、大屋根が特徴的な案なので、何かの方法で大屋根の意味やリアリティを伝えられると良かった。(例えば雨水利用について言及する、構造詳細について言及するなど)

審査員長 福屋 粧子

浮かせるアイデアは良い、森が居室の眼下まで入り込む共生の有り方は共感が持てる。吊るための架構が少し大げさ過ぎるのと陽光や雨などの自然の恩恵が受けにくいところに工夫が欲しかった。

審査員 野津 弘

森の自然と共生するための空間をまっすぐに考えた意欲的な作品。人間の空間と自然の距離感の取り方が大きな屋根や高低差で処理されている点が魅力的な空間につながっている。

審査員 蟻塚 学

循環を続けるために
ー住み継いだとしても、森になったとしてもー
仙台高等専門学校 2年鈴木 香澄
審査員のコメント

うすいグリーンで統一され、美しいレイアウトのプレゼンテーションが印象的。離島という敷地も良い。模型も非常に作り込んであった。空き家と新築を併用するのはよいと思うが、住み方の設定に不思議な部分も感じた。また住み継ぎor森どちらになってもいいというのは、自然なようでいてすこし投げやりな印象も受けるので、静かになっていく集落で過ごすことを、よりポジティブな未来として考えて行ってほしい。

審査員長 福屋 粧子

過疎地の空家問題とコミュニティの再生をリノベーションで解決しようとしている志が良い。空き家が廃墟となり土に帰り森となる設定はシュールで怖い。木造の家屋は使わなければすぐに朽ちることから工場、工房でつくられたものを具体的にイメージし何らかの使う方法を提案できれば良かったと感じる。

審査員 野津 弘

離島の限界集落は状況が一変し、森を荒廃の象徴として捉えるディストピア感のある作品。それでも未来に対する小さな可能性を探るような視点が好印象。

審査員 蟻塚 学

いえのいえのいえ
東北工業大学大学院 2年山崎 健太郎
審査員のコメント

非常に美しいパースで、半透明の外皮と入れ子状の空間構成がパースを見ただけでわかります。解説は少なく、また2階平面も必要と思いますが、住宅であることはわかります。しかしテーマへの応答という意味では、よりストレートな森の表現との勝負になるので、少し不利です。何を地域循環と解釈したか、何を森と暮らすと解釈したか、謎めいているところも魅力ですが、形についての謎が解けた時にもさらに魅力を感じるような敷地からのキーワードや素材の提案、隠しコンセプトを埋め込んでいくと良いのでは。

審査員長 福屋 粧子

入れ子構造の提案が自然と一体となっていて良い。イマージ及び図面の構成も素晴らしい。2階のプランがなくこの入れ子構造と居室の関係が見えないのが残念。また、入れ子構造の通路が日射の遮断、日射の取得等で広さが変わるなど温熱環境に配慮して計画となっていればもっと良かった。

審査員 野津 弘

建物外皮をすべて建具とした入れ子構造となっており、外観にゆらぎと自由度をもたらしている。秀逸なプレゼンテーションが際立っている。地域循環のテーマに迫れたらもっと良かった。

審査員 蟻塚 学

優秀賞

防森~ふるまいを生産する番屋集落 ~
仙台高等専門学校 1年佐野 竣亮
審査員のコメント

地域のリサーチをベースに、地域全体を含めた暮らし方が提案されているのが良い。番屋の建築の構法について、さらに説得力が持たせられるといいのではないか。桃浦の「もものうらビレッジ」などにもぜひ宿泊してみてください。

審査員長 福屋 粧子

コンセプト及びプログラムの設定が良く、森~海への循環を意識した社会的な作品で好感が持てる。恵みを運ぶ川、地下水や途中に介在する田畑の事なども視野に入れれば完璧。建築的にはもう少し魅力的な空間となるための外部との繋がりの表現が欲しかった。

審査員 野津 弘

木を生み出す森と、漁をする海の間にある番屋と循環のシステムという着目点が秀逸。都市の人が訪れるためのプログラムや空間に対して積極的に提案して欲しかった。

審査員 蟻塚 学

SUPPLY BAUM
東北芸術工科大学 2年佐々木 禅
審査員のコメント

外観パースと平面図が魅力的です。住宅として見ると断面が少し窮屈にも感じます。また、円弧上の平面を活かした敷地選定や、森林管理時の具体的な使い方など、何かの方法でリアリティを伝えられると良かった。(審査時にもありましたが例えば軽トラでの搬入など)循環型文化に興味が出ているのは、非常に今日的でいいと思いますので、できれば実体験して、より詳しい感覚や知識を身につけていくと良いと思います。

審査員長 福屋 粧子

地域でのNPO法人の活動に即した施設の提案は良くリサーチをしていて魅力的。プランもシンプルですがすがしい空間。薪の製造、供給を考えると材料の運搬、荷下ろし、薪のストックヤード、供給の為の道路等が必要となるがその記述が無い。また、バームをイメージするなら年輪的な壁の構成が浮かんでくる、その言葉に呼応した空間や、構造を考えてみることも有です。

審査員 野津 弘

地域で伐倒した木を薪に加工する過程を人づくりに活かし、関わる範囲を広げていこうとしている持続性を見据えた視点が秀逸。シンプルで端正なプランも魅力がある。

審査員 蟻塚 学

当日の様子

  • プレゼンテーションの様子(最優秀賞 Roots)
  • 模型や資料を駆使してアピール
  • 近づいて模型をしっかりチェック
  • 工夫を重ねた模型
  • プレゼン会場の様子
  • 福屋審査員長より全体講評
  • 表彰式
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タカカツグループホールディングス
人事総務部
宮城の家づくり設計コンペ係 [担当:杉田]

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